セルバンテスに授業で質問できる、歴史の先生Julio Candelaが教えながら個人で運営する「Habla con la Historia」
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スペインの公立中学校・高校で地理と歴史を教えるJulio Candelaは、歴史上の人物のAIと会話できるサイト「Habla con la Historia」を、教職を続けながら個人で運営している。人物どうしの討論や、教師が話題を絞れる仕組みを用意し、AIが間違えることも生徒が事実を確かめる学びにつなげている。アクセス解析の数字では、2024年1月から6月10日までに25か国から8万人以上の利用者があった。
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Julio Candelaは、生徒が歴史上の人物のAIに質問し、その人物の口ぶりで答えが返ってくるサイト「Habla con la Historia」(スペイン語で「歴史と話そう」)を作った。セルバンテスやアリストテレス、アインシュタインに、生徒が自分の言葉で問いかけられる。本人はスペインの公立校で地理と歴史を教えている教師で、授業を続けながらこのサイトを個人で運営している。
何をしている人か
Julio Candelaは、スペイン・アリカンテ県エルチェの公立の中等学校(日本の中学校と高校にあたる)で、地理と歴史を教えている。サイトの法的通知には、サイトは本人が個人として運営していると書かれている。今のサイトの見出しには「iuliuslabs.com のプロジェクト」とあり、本人が個人で使っているIulius Labsという名前のサイトでは、AIの研修や美術館向けのアバターなど、ほかの取り組みも紹介している。会社やチームの記述は見つからない。
AIの使い方
本人が大学の研究者と共同で書いた2024年の論文、スペインの教育誌EDUCACIÓN 3.0の記事、サイトの記述から整理する。
- 歴史上の人物と会話する。 生徒や教師が質問すると、セルバンテスやアリストテレス、アインシュタイン、アビラの聖テレサといった人物の口ぶりで答えが返ってくる。2024年の論文の時点で、250人の人物がそろっていた。
- 人物どうしに討論させる。 話題を出すと、複数の歴史上の人物が、それぞれの立場から議論する。
- 人物の日記を作る。 歴史上の人物が書いたような日記を作れる。EDUCACIÓN 3.0は会員向けの機能として紹介しており、今のサイトでは登録した人が使えると書かれている。
- 教師が話題を絞れる。 サイトによると、教師はテーマや問いを決めて、会話を授業の内容から外れないようにできる。
- 先生が生徒のやり取りを見られる。 今のサイトによると、新しいアプリ(試験版)に切り替え、先生が生徒とAIのやり取りを見て評価できるようにした。
- 1日20回までなら、無料で会話できる。 今のサイトでは、登録すると1日20回まで無料で会話できる。
- AIの間違いも、学びにする。 サイトのよくある質問では、AIが情報を混ぜたり、細かい点を間違えたりすることがあると認めたうえで、それを生徒が事実を確かめ、誤った情報を見分ける練習の機会にすると書いている。
- サイトづくりにも生成AIを使う。 サイトの下の欄には、画像や内容はMidjourneyやDALL·E 3、OpenAIの生成AIの技術の助けを借りて作ったとある。法的通知では、内容や画像づくりに使った可能性のある道具として、OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiも挙げている。
日本でまねするなら
- 自分が毎日教えている教科から始めると、作るものがぶれない。Julio Candelaも、教育全般の道具ではなく、自分が教える歴史という教科に絞った道具を作っている。
- 生徒だけをAIと向き合わせるのではなく、教師が話題や問いを決められる仕組みを用意すると、授業の中で使いやすくなる。
- AIが間違えることを隠さず、事実を確かめる練習に変える考え方は、日本の授業でもそのまま使える。学校で生成AIを使うときは、文部科学省のガイドラインや学校の方針を先に確かめておきたい。
- 使った人の数や、使った先生への調査を数字でまとめて公開すると、ほかの先生や媒体にも伝わりやすい。
- 自分の国の言葉で作ることも強みになりうる。Habla con la Historiaはスペイン語のサイトで、スペインだけでなく、アルゼンチンやメキシコなど中南米からも使われた。
事業の数字と経緯
- 2023年10月:Habla con la Historiaを公開
- 2024年:大学の研究者との共著の論文で、利用の状況と先生への調査をまとめる
- 2024年5月:アビラの地元のニュースサイトが、地元の歴史上の人物と話せる機能を紹介
- 2025年5月:EDUCACIÓN 3.0の記事(更新日)で、先生が作ったAIの例として紹介
論文によると、2024年1月1日から6月10日までの利用者は、アクセス解析の数字で25か国から8万3,820だった。約69%がスペインで、アルゼンチン、チリ、メキシコ、コロンビアが続く。公開からの訪問は10万回を超えた。6か月使った50人の先生への調査では、多くが毎週使い、主に歴史の授業のほか、国語や社会科でも使っていた。75%の先生が、生徒が強い関心を示した、またはとてもやる気があると答えた。数字はいずれも本人が共著者の論文によるもので、今のサイトにも、人物や利用者の数、料金は載っていない。
出典
- https://web.archive.org/web/20250323103610/https://dspace.umh.es/handle/11000/35478
- https://www.educaciontrespuntocero.com/tecnologia/ia-creadas-por-docentes/
- https://web.archive.org/web/20240523204222/https://avilared.com/art/76625/una-plataforma-de-ia-propicia-el-dialogo-con-personajes-historicos-abulenses
- https://hablaconlahistoria.es/
- https://hablaconlahistoria.es/registro/
- https://hablaconlahistoria.es/diarios-personales-con-ia/
- https://iuliuslabs.com/
- https://web.archive.org/web/20260906102713/https://hablaconlahistoria.es/aviso-legal-descargo-responsabilidad/
コメント
Julio Candelaの事例で参考になるのは、AIの弱点を隠さずに授業の材料にしている点だ。AIが情報を混ぜたり細かい点を間違えたりすることを認めたうえで、生徒が事実を確かめる練習に変えている。教師が話題や問いを決められる仕組みも、生徒をAIと向き合わせるだけにしない工夫として、教科を問わずまねしやすい。
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