Mesut TAŞが1人で開発した、Telegramから使えるAIタスク管理アプリ「Vyneron」
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Mesut TAŞは、Telegramに文章や音声、写真を送るとAIがタスクやメモに整理するアプリ「Vyneron」を、外部の資金を入れず1人で作った。AIに日付の計算をさせると結果がぶれることに気づき、その部分だけをふつうのプログラムに戻した。利用者が自分のAIのキーを持ち込める形にして、利益より信頼を取る価格設計を選んでいる。
- 非公開
- SaaS
- 生産性/汎用
- Product Hunt
- Groq
- Anthropic API
- Gemini
- OpenAI API
Mesut TAŞは、メッセージアプリのTelegramを入り口にしたAIのタスク管理アプリ「Vyneron」を、1人で作って運営している。思いついたことをTelegramに文章や音声、写真で送ると、AIがタスクやメモに整理する。開発の途中で、AIに日付の計算を任せると同じ入力でも答えがずれることに気づき、日付の部分だけはふつうのプログラムで処理する形に作り直した。
何をしている人か
Mesut TAŞは、Vyneronを1人で開発しているソフトウェア開発者だ。本人のサイトでは、2026年に1人の開発者が立ち上げ、1人のチームで作って出している製品だと紹介されている。Indie Hackersの投稿では、外部の資金を入れていないこと、チームも業務委託もいないことを書いている。
作ったきっかけは、本人の失敗の繰り返しだったという。これまで使ったタスク管理アプリはどれも続かなかった。アプリが悪かったからではなく、わざわざ開かなければならなかったからだ。何かを思いつく瞬間、自分がいるのはチャットアプリの中だった。そこで、考えがすでにある場所、つまりTelegramに、書き留める入り口を作ることにした。
AIの使い方
本人がIndie Hackersに書いた2つの投稿(2026年5月20日と7月8日)から整理する。
- 送ったものを、AIがタスクやメモに整理する。 音声メッセージを送ったり、レシートを撮って送ったり、文章を打ったりすると、AIがあとで探せるタスクやメモの形にまとめる。5月の投稿の時点では、手書きのメモやホワイトボード、レシートの写真を送ると、GoogleのGeminiの画像認識が中身を読み取り、タグの案を出す。誰も手でタグを付けなくても、何か月後かに検索で見つけられる。
- 日付の計算は、AIから取り上げた。 曜日の計算をAIに任せていたところ、同じ入力でも呼び出すたびに数日ずれる結果が返ってきた。そこで、「10分後」「来週の月曜10時」のような言い方を、正規表現を使ったプログラムで読み取る仕組みを6言語分作った。AIが受け取る前に3つの読み取り処理を走らせ、日時が読み取れたときは、AIの答えより、プログラムが出した日時を優先する。タスクかメモか、優先度は何か、といった意味の判断はAIに残し、計算はプログラムに任せる。本人は、AIに計算をさせていたことが「なぜか来年に予定が入る」不具合のいちばんの原因だったと振り返っている。
- 利用者が自分のAIのキーを持ち込める。 5月の投稿の時点では、Gemini、OpenAI、Groq、AnthropicのClaudeの4つから選べ、利用者が自分で契約しているAIのキーをつなげば、上乗せなしで使える。本人は、AIの利用料を上乗せして売るより信頼されやすい一方で、自分の利益は薄くなる、と書いている。
- 登録の手間を減らした。 以前は利用者ごとにTelegramのボットを用意してもらう設定が必要で、新しく登録した人の約2割がそこで離れていた。共通のボットに切り替えて、Telegramは使わなくてもよい追加の機能にした。
5月の投稿では、3週間で30回以上の本番への反映をこなし、自動テストを1,037件から1,225件に増やしたと書いている。一方で、決めていた反映の手順を飛ばして、新しいデータベースの設定ファイルを入れ忘れ、予定の通知の仕組みが8分間止まった失敗も正直に書いている。1人だと、自分の見落としに気づけるのは自分だけだ、という。
日本でまねするなら
- 新しいアプリを開いてもらうより、相手がすでに毎日使っている場所に入り口を置くほうが、使い続けてもらいやすい。日本なら、LINEやSlackが入り口の候補になる。
- AIに任せるのは意味の判断までにして、日付や金額の計算のように答えが1つに決まる処理は、ふつうのプログラムで行う。AIの答えより、プログラムの結果を優先する決まりにしておけば、ぶれが出ない。
- AIの利用料をどう価格に入れるかは、早めに決めておきたい。利用者が自分のキーを持ち込める形は、信頼を得やすい代わりに、利益が薄くなる。
- 1人で開発するなら、自動テストと決まった反映の手順を用意して、それを飛ばさないことが、見落としを防ぐ仕組みになる。
事業の数字と経緯
- 2026年:Vyneronを1人で立ち上げる(本人のサイトによる)
- 2026年5月:Product Huntでの公開の3週間前に、作り直しの進み具合をIndie Hackersに投稿
- 2026年6月:有料プランの支払いを受け付け始める
- 2026年7月8日:Product Huntで公開
7月の公開の時点では、まだ売上はなく、公開の目的は意見をもらうことと最初の有料の利用者を得ることだと書いている。当時の料金は月6ドルで、先着250人には年39ドルの早期支援者向けの料金を用意していた。2026年11月4日時点の公式サイトでは、個人向けが月6ドルまたは年59ドル、複数人で使えるプランが2〜3人で月12ドルから(最大25人)で、先着250人向けの年39ドルの料金も載っている。無料プランもあり、試用期間のあとは、自分のAIのキーをつなげばAIの機能を使い続けられる。
利用者の数や売上の金額は公開されていない。
出典
- https://www.indiehackers.com/post/launched-today-a-task-manager-that-lives-inside-telegram-solo-bootstrapped-4c25168d07
- https://www.indiehackers.com/post/three-weeks-of-shipping-vyneron-solo-redesigned-app-central-telegram-bot-natural-language-dates-in-6-languages-bc70e6611f
- https://vyneron.com/en/about
- https://vyneron.com/en
- https://www.producthunt.com/products/vyneron
コメント
Mesut TAŞの事例で参考になるのは、AIに任せる範囲を「意味の判断」までに絞り、日付の計算はプログラムに戻した線の引き方だ。AIの答えがぶれる場面を不具合から突き止め、どちらを優先するかの決まりまで作っている。利用者が自分のAIのキーを持ち込める価格設計も、利益より信頼を取る判断として分かりやすい。
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