Rodrigo Santos|LinkedIn営業SaaS「Vencefy」を生んだソロ起業家
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Rodrigo Santosは、子ども向けプログラミング教育事業Happy Codeの売却後、LinkedIn向け営業支援SaaS「Vencefy」を立ち上げた起業家だ。最初は別テーマを検証していたものの、市場の反応から営業支援ニーズへ軌道修正し、プロダクト未完成の段階で初受注。その後は自らVencefyを使って顧客を開拓し、短期間で高単価顧客を積み上げた。売る相手を急いで固定せず、複数の顧客タイプを実際に試した上でICPを絞り込んだ点が大きな特徴だ。
- 100〜500万円
- SaaS
- マーケティング/広告
- SNS
- Claude Code
この記事は『マーケティング×AIで成果を出す、海外AIソロプレナーの事例集』に掲載されています
概要
Rodrigo Santosは、ブラジル出身の起業家で、現在はLinkedIn上の営業開拓を支援するSaaS「Vencefy」を手がけている。キャリアの前半ではNaturaの創業者周辺で働いたのち、family office向けのITサービスを展開。その後、2015年に子ども向けプログラミング教育事業Happy Codeを立ち上げ、数百拠点規模まで広げたあと、2021年に持分を売却した。
次の挑戦としてVencefyを始めたきっかけは、当初検証していた別案への反応が薄く、むしろ「どうやって売るのか」という相談が集まったことだった。そこで営業プロセスの課題に焦点を移し、LinkedIn向けの見込み客抽出、接続メッセージ作成、送信自動化を一体化したサービスへ組み替えている。
面白いのは、最初の顧客獲得が完成品の販売ではなかった点だ。知人への仮説提案から先に受注し、短期間で初期版を作って納品した。さらに、その後の拡販でも自社プロダクトを自分で使い、獲得チャネルとしてLinkedInを回し続けたことが成長の土台になっている。
ビジネスモデル
Vencefyの中核は、LinkedInを主要な営業チャネルにしているB2B企業向けの営業支援SaaSだ。料金は接続アカウント数に連動する席課金に近い設計で、少人数企業を大量に抱えるより、複数営業担当を持つ組織のほうが単価を伸ばしやすい構造になっている。
初期プロダクトには、見込み客のスコアリング、接続用メッセージの生成、送信の自動化が含まれていた。加えて、活動を人間らしく分散させる運用ロジックを入れ、単純な大量送信ツールではなく、実務寄りの営業オペレーション基盤として磨かれていったようだ。
途中からはホワイトラベル提供も強化している。これは、戦略設計や運用代行を担いたい代理店・支援会社に対し、基盤技術を提供する形だ。Rodrigo自身がコンサル色の強い支援を増やしすぎたくない一方で、サービスレイヤーを担えるパートナーには需要があると見て、このモデルを伸ばしていた。
顧客開拓の進め方も特徴的だ。はじめからICPを固定するのではなく、複数の顧客像に販売し、誰が最も価値を受け取り、かつ継続しやすいかを見ながら絞り込んでいる。結果として、LinkedInを主要導線にしていて、営業人数がある程度そろった中堅企業が相性のよい顧客層として見えてきたようだ。
収益規模
参考記事では、Vencefyは立ち上げから5か月時点で43社、175アカウント接続、解約ゼロ、ホワイトラベル反映前MRR約5.3万レアル、反映後MRR約12万レアルという水準まで伸びていた。
さらにRodrigo本人のLinkedIn投稿では、その後8か月でMRRが21.8万レアルに到達したと述べている。つまり、短期間で売上規模をさらに積み上げたことになる。
一方、日本円ベースの厳密な月商換算は為替次第でぶれるが、少なくとも数百万円規模の月次収益帯に入っていたとみてよいだろう。ソロ創業でここまで伸ばした一方、本人は後になって「一人で抱えすぎた」と振り返っており、高成長局面では早めの採用判断も必要だったと示唆している。
学べるポイント
1つ目は、アイデアより反応を重視していることだ。Rodrigoは最初の構想に固執せず、コミュニティでの反応から別の痛みを見つけ、営業支援へ切り替えた。仮説検証の段階では、何を作りたいかより、相手が何に今すぐお金を払うかを見ている。
2つ目は、売ってから作る姿勢だ。完成品を用意してから市場に出るのではなく、先にニーズを確かめ、最初の導入先を決め、そのあと初期版を仕上げている。受注を検証の一部に組み込んでいるため、机上の評価で終わりにくい進め方だ。
3つ目は、顧客獲得チャネルを自社で実証している点だ。LinkedIn営業を支援するプロダクトであれば、自らLinkedInで見込み客を獲得できるかが説得力になる。Vencefyでは、単なる機能説明よりも、自社運用で再現していることが信頼につながっていた。
4つ目は、ICPを急いで決めないことだ。スタート時に理想顧客を決め打ちすると、間違ったセグメントに最適化してしまうことがある。Rodrigoは複数の顧客タイプに売りながら、継続率や運用負荷も見て、より伸びる層を後から定めていた。
5つ目は、AIを開発生産性の梃子として使っていた点だ。本人はVS Code上でClaude Codeを使い、巨大化したプロダクトの実装や改善を一人で回していたと説明している。少人数、あるいは単独で複雑なSaaSを運営するうえで、AI補助を前提にした開発体制が競争力になっている事例といえる。
日本での再現可能性
日本でも再現余地はある。ただし、そのまま複製するより、「どの会社に刺さるか」をかなり限定したほうが現実的だ。
向いているのは、法人営業を重視し、担当者数が一定以上いて、LinkedInを商談創出チャネルとして活用している会社だ。国内市場だけを見るとLinkedIn依存度はまだ高くないため、米国や海外営業を含むB2B事業者、採用広報と営業を兼ねて運用している企業、あるいは支援会社向けホワイトラベルのほうが入りやすい可能性がある。
逆に、日本のSMB全般を広く取ろうとすると苦戦しやすそうだ。理由は、LinkedIn活用の成熟度にばらつきがあり、営業運用そのものを整える支援まで求められやすいからだ。その意味で、日本で似たモデルを作るなら、最初からソフト単体販売ではなく、代理店連携や一部伴走を組み合わせる設計のほうが収まりがよいかもしれない。
また、Rodrigoの事例では、創業者本人の営業力、発信量、検証回数がかなり大きな比重を占めている。したがって、単に機能を真似るだけでは再現しにくく、検証の運用習慣まで含めて持ち込めるかが成否を分けそうだ。
出典
- https://microsaas.substack.com/p/maior-case-de-empreendedorismo-solo
- https://pt.linkedin.com/posts/rodrigovencefy_218k-de-mrr-em-8-meses-solo-founder-sem-activity-7424086158441373696-UwyZ
- https://pt.linkedin.com/posts/rodrigovencefy_como-validei-o-mvp-da-vencefy-pequeno-detalhe-activity-7388921984480567297-BMp5
- https://forbes.com.br/forbes-tech/2021/03/exclusivo-happy-code-e-vendida-para-a-holding-a2gk-investimentos/
- https://rodrigosantosatvencefy.com/
コメント
Rodrigoの強みは、派手な資金調達や大きな組織ではなく、売れる相手を見つけるまで仮説を動かし続けた点にある。特に、先に営業し、実際の導入から学び、最後に顧客像を絞る流れは、AI時代のマイクロSaaSやソロ創業と相性がよい進め方だ。一方で、本人が後から採用の遅れを反省しているように、ソロでの効率化には限界もある。再現するなら、創業初期は一人で鋭く学び、伸び始めたら早めに体制へ移る、その切り替えまで含めて参考にすると実践的だ。
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