Fred van Rijswijkが作るAI秘書「Prio」──承認を重ねながら仕事を任せる仕組み
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オランダのFred van Rijswijkは、メールや予定、タスクをまとめて扱う創業者向けのAI秘書「Prio」を、外部の資金を入れず1人で立ち上げた。AIが作った返信や予定の変更は、すべて利用者の承認を待ってから実行される。同じ種類の仕事を何度も承認すると、そこから先はAIが自分で準備してよいかを尋ねてくる。
- 非公開
- SaaS
- 生産性/汎用
- Product Hunt
- Mistral
Fred van Rijswijkは、創業者向けのAI秘書「Prio」を作っている。Outlook や Gmail、カレンダー、タスク、連絡先を1つのチャットで扱えるサービスで、AIが返信の下書きや予定の調整、受信箱の仕分けをする。ただし、外に出ていくものはすべて、利用者が承認するまで送られない。2026年4月にProduct Huntで公開したとき、本人は51歳で、外部の資金を入れずにオランダから1人で作っていると書いていた。
何をしている人か
Fred van Rijswijkは、オランダでPrioを立ち上げた創業者だ。Product Huntの公開時のコメントでは、自分のことを51歳の1人の創業者で、外部の資金は入れていないと紹介している。
作った理由について、本人は、信頼を前提にするのではなく、信頼を積み上げていくアシスタントがほしかった、と書いている。今のサイトでも、最初は自分の受信箱のためにPrioを作った、という本人の言葉が載っている。
一方で、2026年11月4日時点のサイトの紹介ページには、Prioはオランダの小さなチームが作っている、と書かれている。今も1人なのか、人が増えたのかは、出典からは分からない。この記事では、本人が1人で作っていると書いていた2026年4月の公開のころを中心に扱う。
AIの使い方
本人がProduct Huntに書いた公開時のコメント(2026年4月)と、今のサイト(2026年11月4日に確認)から整理する。
- AIが作ったものは、承認を待つ列に並ぶ。 AIは、メールの下書き、会議の予定の調整、受信箱の仕分け、請求書の処理などをする。公開時のコメントでは、どの作業もまず承認を待つ列に入り、利用者が中身を見て、必要なら直して、承認してから実行されると説明していた。今のサイトでは、メールや、ほかの人が参加する予定の招待などが、承認を待つ対象になっている。
- 承認した回数で、任せる範囲が広がる。 公開時のコメントでは、承認も却下もすべてがAIへの学習の手がかりになり、いつも手直しなしで承認している作業から、AIが自動で進めるようになると説明していた。今のサイトでは、この決まりがもっと具体的になっている。同じ種類の仕事を90日間に20回判断し、そのうち8割以上を承認していると、Prioのほうから「次からは自分で準備してよいか」と尋ねてくる。それでも、送る前の確認は利用者がする。断ると、もう尋ねてこない。
- 任せない線も、はっきり決めている。 信頼できる相手を指定すると、その人あての作業は承認の列を飛ばせる。CRMへのメモや、自分しか出ない予定の追加のような小さな作業は、最初から確認なしで進める。一方で、公開の投稿と電話は、いつでも必ず確認を取る。また、Prioがやりとりから大事な相手だと判断した人には、必ず下書きを作って承認を待つ。
- 直した内容から、書き方を覚える。 下書きを直すたびに利用者の書き方を学び、却下するときに理由を伝えると、それが次からの決まりになる、とサイトで説明している。
- ヨーロッパの利用者に合わせた作り方をしている。 データはEUの中に置き、AIの学習には使わない。音声の書き起こしには、ヨーロッパのAI企業Mistralを使っている。メールとカレンダーは、最初は読むだけの権限でつなぎ、送る権限は、初めて下書きを承認するときに求める。
- 作るための道具も名前を挙げている。 公開時のコメントでは、VercelのNext.jsや、AIの機能を組み込むためのライブラリ群(AI SDK、Workflow SDK、Chat SDKなど)について質問に答える、と書いている。
本人は、自分の会社もPrioで回していて、同じ承認の列を通しているとサイトで書いている。自分の名前で外に出るものは、自分が読むまで出ていかないという。
日本でまねするなら
- AIに仕事を任せるサービスを作るなら、最初から全部を自動にするのではなく、承認の実績に応じて任せる範囲を広げる段階を、決まりとして見える形にしておくと、使う人が安心できる。「20回のうち8割」のように、数字で示すとさらに分かりやすい。
- 任せない作業(公開の投稿や電話など)を先に決めて明記しておくのも、信頼を得る近道になる。
- Prioは「ヨーロッパの創業者のためのツール」という立ち位置で、データの置き場所や対応する言語を打ち出している。日本向けに作るなら、日本語の自然な文面や、日本の商習慣に合ったメールの書き方を強みにできる。
- 権限は、最初は読むだけにして、必要になったときに追加で求める形にすると、つなぐときの心理的なハードルが下がる。
事業の数字と経緯
- 2026年4月:Product Huntで公開
- 2026年11月:サイトの紹介ページに、小さなチームが作っているとの記載(11月4日に確認)
2026年11月4日時点のサイトでは、料金は月29ユーロのStarter、月79ユーロのPro、月199ユーロのBusinessの3つで、どれも14日間の無料試用から始まる。試用のあとも、30日以内なら返金を受けられる。英語、オランダ語、ドイツ語、フランス語に対応し、iPhoneのアプリは公開の試用版として配っている。
利用者の数や売上の金額は公開されていない。
出典
コメント
Fred van Rijswijkの事例で参考になるのは、AIにどこまで任せるかを、承認の実績という数字の決まりにして利用者に見せている点だ。公開の投稿と電話のように、実績が積み上がっても任せない作業を先に決めているのも、使う人の不安を減らす工夫になっている。AI秘書は競合の激しいエリアだと思うので、今後の差別化にも注目したい。
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