スクリーンショットを使わずにAIにWebを操作させる、Max Nordströmが1人で作る「Manifest」
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スウェーデンのMax Nordströmは、AIエージェントがWebページで何をできるかを一覧にして返すサービス「Manifest」を、自分の会社Omfang ABで作っている。画面を画像で見せるのではなく、スクリーンリーダーと同じ情報をもとにページを読み、ボタンや入力欄を決まった形のデータにまとめる。無料プランから使え、AIのツールから直接呼び出せる窓口も用意している。
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Max Nordströmは、AIエージェントがWebページを操作するときの「下ごしらえ」を引き受けるサービス「Manifest」を作っている。URLを渡すと、そのページでクリックできるもの、入力できるもの、送信できるものを、決まった形のデータ(JSON)にまとめて返す。画面のスクリーンショットをAIに見せて判断させるのではなく、目の見えない人がWebを使うときのスクリーンリーダーと同じ情報をもとにページを読むのが特徴だ。
何をしている人か
Max Nordströmは、スウェーデンの会社Omfang ABでManifestを開発している。Product Huntでの公開時には、自分をManifestの1人の創業者だと紹介し、1人で作っていて、まだ売上はないと書いていた。ソフトウェアの紹介サイトでも、Omfang ABとして活動するスウェーデンの1人の創業者が作った製品として紹介されている。
作ったきっかけについて、本人はProduct Huntで、AIエージェントにWebページを確実に操作させようとするたびに、ページの要素の指定を手で書くことになり、サイトの作りが変わるとすぐに動かなくなった、と書いている。
開発者向けのPythonのライブラリは、2026年6月30日に最初の版を出し、9月17日までに11回、版を重ねている。
AIの使い方
ManifestはAIエージェントのための道具で、製品の中でもAIを使っている。公式サイト(2026年11月5日に確認)と、Product Huntでの本人の説明から整理する。
- ページを読む処理に、AIを使っている。 Product Huntでの本人の返信によると、ページを読む処理では、ブラウザを自動で動かす道具(Playwright)と、AnthropicのAIモデルSonnetを使っている。
- 画面を見せずに、ページの構造を読ませる。 AIにWebを操作させるやり方には、画面の画像を見せて、どこを押すかを判断させるものもある。Manifestは画像を使わない。ページのアクセシビリティの情報(スクリーンリーダーが読み上げに使う情報)を読み、そこにページの中身(DOM)から、必須の入力欄か、どの種類の入力か、押せない状態か、といった細かい情報を重ねる。サイトでは、スクリーンショットも、人が手で書き続ける要素の指定も要らない、と説明している。
- 「何が見えるか」ではなく「何ができるか」を返す。 返すのは、そのページでAIが取れる操作の一覧だ。開発者向けのライブラリの説明では、AIエージェントが画面に何があるかではなく、何ができるかを分かるようにする、と書いている。
- 結果を一定時間、手元に残す。 一度読んだページの結果は、URLごとに6時間保存している。Product Huntでは、ページの状態が変わったかどうかで見分けて保存した結果を返す仕組みはあるかと聞かれ、今はURLと時間で区切っているだけで、保存した結果が使えないときは、毎回ブラウザとAIで最初から読み直す、と答えていた。サイトでも、保存済みの結果はいつも速く返り、初めて読むときと同じようには利用回数に数えない、と書いている。
- AIのツールから直接つなげる。 AIのアシスタントが外部のツールを呼び出すための共通の仕組み(MCP)の窓口を用意していて、AIのツールから直接Manifestを使える。ふつうのAPIで呼び出すこともできる。
本人は、まだ足りない点も書いている。ボット対策のあるサイトでは止められることがあり、それを避けるための特別な仕組みは入れていない。必須の入力欄かどうかはページの作りから推測しているので、サーバー側であとから確かめる項目は見落とすことがある、という。
日本でまねするなら
- AIエージェントにWebを操作させる方法はいくつかあるが、Manifestのように、アクセシビリティの情報やページの構造を使う方法は、もともと目の見えない人のために整えられている仕組みを、AIのために使い回す発想だ。日本語のサイトでも、アクセシビリティが整っているほど、AIが扱いやすくなる。
- AIエージェント向けの道具は、MCPの窓口を用意しておくと、利用者が自分のAIのツールからすぐ試せる。1人で作る開発者向けの製品でも、配布の入り口として効く。
- 同じ処理を何度も繰り返さない仕組み(結果の保存)を、料金の数え方と結びつけておくと、使う人の費用も、自分のサーバーの負担も抑えられる。
事業の数字と経緯
- 2026年6月30日:開発者向けのPythonのライブラリの最初の版を公開
- 2026年7月:Product Huntで公開(紹介サイトによると、7月21日の一覧で11位)
- 2026年9月17日:ライブラリの最新の版(0.7.0)を公開
2026年11月5日時点の公式サイトでは、無料プラン(月50回)、月29ドルのStarter(月1,000回)、月79ドルのPro(月5,000回)、個別見積もりのEnterpriseがある。有料プランでは、上限を超えた分に1回ごとの料金がかかる。
Product Huntでの公開時には、まだ売上はないと書いていた。その後の利用者の数や売上の金額は公開されていない。
出典
コメント
Max Nordströmの事例で面白いのは、目の見えない人のために整えられてきたアクセシビリティの情報を、AIエージェントがページを読むための材料として使い回している点だ。MCPの窓口を用意して、利用者が自分のAIのツールからすぐ試せるようにしているのも、1人で作る開発者向けの製品の配り方として参考になる。
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