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2026.10.21 · nubela.co

社員約60人の会社を手放したSteven Gohは、なぜ次の事業を1人で回せるのか

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LinkedInデータAPI「Proxycurl」を売却したSteven Gohは、B2Bデータの新事業NinjaPearを人を雇わずに運営している。経理を自動化し、顧客サポートと顧客フォローをAIに任せる一方、商品の方向性や売り方の判断は自分に残している。

運営中
月商
非公開
事業種別
SaaS
業種
マーケティング/広告
集客チャネル
非公開

使用AIツール

  • OpenRouter
  • Claude Code
  • Codex

※ 数値は記事公開時点(2026.10.21)の公開情報に基づく調査結果です

Steven Gohは、顧客がクレジットを追加購入したときなどの行動をきっかけに、相手の事業に合わせた文面のお礼メールをAIのエージェントに書かせて自動で送っている。以前の会社では専任の担当がいた顧客フォローを、こうした仕組みに置き換えることで、新しい事業を人を雇わずに回している。

何をしている人か

Steven Gohは、シンガポールに住む連続起業家だ。LinkedInのデータを扱うAPI「Proxycurl」を運営し、LinkedInとの訴訟の和解を経て、2025年に売却した。2026年1月に作り始めたB2B向けのデータ補完と競合調査のデータ基盤「NinjaPear」を、1人で運営している。

AIの使い方

本人が2026年6月30日に自社のブログに公開し、Indie Hackersにも投稿した記事によると、AIは作るところと運営するところの両方に入っている。

開発には、Claude CodeとCodexを使っている。2026年1月に足を骨折して机から離れられなかった時期に、Claude Codeを試しているうちにNinjaPearの試作品を2週間で作り、公開まで進めたという。サーバーは、以前買った小型PCとデスクトップPCの2台を自宅でつないだKubernetesのクラスターで動かしている。Claude CodeとCodexがあれば、Kubernetesのクラスターを組むのは難しくなかったと本人は書いている。

運営では、以前の会社で役割ごとに人がしていた仕事を、自動化やAIの仕組みに置き換えている。

  • 経理: 領収書や請求書をXeroに登録する作業を、Kubernetes上で動く自動処理にした。以前は経理の担当者の仕事だった。
  • 顧客サポート: 今のNinjaPearより前に公開していた、AIのライブチャットの初期版を使い回している。
  • 顧客フォロー: 顧客の行動(クレジットの追加購入など)をきっかけに、AIが相手の事業に合わせて書いたメールを送るエージェントを作った。本人が例として載せたメールは、購入へのお礼に続けて、相手の会社の事業に触れ、NinjaPearで何を解決したいかを尋ねる内容だ。

一方で、任せないことも決めている。本人は、自分のセンスで決めることや、商品の計画・売り込み方、マーケティングはAIで自動化していないと書き、判断には自分が関わると述べている。人はAIではなく人から買う、という考えからだという。

費用として挙げているのは、CodexとClaude Codeの上位プラン(合わせて月200ドル)、データ補完のための外部のデータ提供元、OpenRouter経由のLLMの利用料で、それ以外はほとんどかかっていないという。

日本でまねするなら

リードで挙げた「顧客の行動をきっかけにした、AIによる個別のフォローメール」は、小さな事業でも試しやすい。

  • まずは1つの行動から始めるとよい。たとえば、初めての購入や追加購入のあとに送るお礼のメールだ。決済サービスやCRMの通知を、ZapierやMakeのような自動化ツールで受け取り、ChatGPTやClaudeのAPIに文面を書かせる流れが考えられる。
  • 文面には、相手の会社のWebサイトなど、相手が公開している情報を材料に入れると、定型文より読まれやすくなる。どの情報を使うかは、相手に不快感を与えない範囲にしたい。
  • 送る前に、最初のうちは自分で読んでから送る形にし、内容が安定してから自動送信に切り替えると安全だ。
  • Steven Gohがマーケティングや商品の方向性を自分で決めているように、自分の判断が要る仕事はAIに任せない、と先に決めておくのも参考になる。

事業の数字と経緯

本人の記事によると、Proxycurlは閉じる前に約60人の従業員を抱え、その半分以上がソフトウェアエンジニアだった。サーバー代も、管理されたKubernetesのクラスターとバックアップに月6,000〜8,000ドルかかっていたという。NinjaPearでは、自宅の機器と太陽光発電を使うため、サーバー代は0ドルだとしている。

本人は、今回は人を雇うつもりのない1人の創業者として、NinjaPearで「1M ARR」を目指すと書いている。売上は、記事を書いた時点で直近2か月に「10K」を超え(通貨の記載はない)、すでに黒字だという。ただし、その月の売上は落ちていて、まだ商品と市場が合っているとは言えないとも書いている。NinjaPearを売るつもりも、出資を受けるつもりもないという。

2026年10月時点の料金ページでは、10クレジット付きの3日間の無料トライアルと、10ドルからのクレジットのパック、サブスクリプションのプランが案内されている。

出典

コメント

Steven Gohの面白さは、AIに任せる仕事と任せない仕事を、最初に線引きしている点だ。経理や顧客フォローのような、手順が決まっていて回数の多い仕事は仕組みにし、何を作るか・どう売るかの判断は自分で持つ。以前の会社で役割ごとに人を置いていた経験があるからこそ、置き換える範囲を具体的に選べたのだろう。

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