Sydney Murphyが開発したPositionBird:無料スキャンでAI検索の競合状況を可視化
本記事にはアフィリエイト(PR)リンクが含まれる場合があります。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
Sydney Murphyは、EC事業者がChatGPTやPerplexityなどの回答内で自社がどう扱われているかを点検するShopifyアプリ「PositionBird」を展開するソロファウンダーだ。Indie Hackersへの投稿では、無料スキャンを入り口にしつつ、AIで直せる範囲と直せない範囲を明示する売り方を採っていることを明かしている。古典的なSEO支援ではなく、AIに店名が挙がるかを監視対象に据えた点が特徴だ。
- 非公開
- SaaS
- マーケティング/広告
- アプリストア
無料スキャンを先に見せ、登録前に「AIが自社ではなくどの競合店を勧めているか」を確かめてもらう。Sydney Murphyはこの流れを、Shopify向けアプリPositionBirdの入口として設計している。Indie Hackersで本人が説明した範囲では、AI経由の見え方を先に可視化することで、導入判断を店舗側に委ねるやり方が核になっている。
何をしている人か
Sydney Murphyは、Shopify事業者向けのアプリを一人で作っている創業者だとIndie Hackersへの投稿で述べている。最初のアプリは、ストアの停止を検知するStatusBird。その次に立ち上げたPositionBirdは、買い物客がChatGPTやPerplexity、Gemini、Claudeに「どこで買うべきか」を尋ねたとき、自社ストアが候補に入るかを調べるためのサービスとして打ち出されている。
Shopify App Storeの掲載内容では、PositionBirdはAI検索や回答欄での露出を点検し、競合が代わりに推薦されていないか、説明内容に誤りがないかを追うアプリとして案内されている。AIに見つけてもらうための領域を、従来のSEOとは少し違う新しい運用対象として切り出している点が特徴だ。
AIの使い方
Indie Hackersでの本人投稿では、PositionBirdはChatGPT、Perplexity、Gemini、Claudeといった複数のAIで店の見え方を確かめる用途に使われている。利用者はまず無料スキャンを走らせ、自社ストアについてAIがどう答えるか、あるいは別の店舗を勧めていないかを確認する流れだと説明されている。
Shopify App Storeの紹介文では、実際の購買意図に近い質問を各AIやGoogleに通し、可視性を点数化するとされる。さらに、どの順位で触れられたか、AIが最新のShopify上の情報を正しく参照しているか、どの外部サイトを根拠にしているかも追える構成になっている。PositionBirdの公式ページでは、ブランド名や別表記を確認し、商品カタログや公開サイトをもとに想定質問を用意したうえで、AI回答内の言及を検出する手順が示されている。
一方で、MurphyはIndie Hackersで、競合が掲げるような「誤ったAI回答を直せる」という約束は、学習済みデータに依存する系では成り立たない場合があるとも書いている。つまり、AIに何かを自動で修正させるより、まず現状を測り、その限界も含めて開示することを重視している。本人は同投稿で、各回答に証跡を残すことや、手法全体を公開することを差別化要素に挙げている。AIそのものを魔法のように見せるより、観測と記録の仕組みとして扱っている点がこの人らしい使い方だ。
日本でまねするなら
日本で同じ発想を試すなら、まずは自社ECやブランドサイトについて、ChatGPT、Gemini、Perplexityのような一般向けAIに「おすすめの○○」「○○を買うなら」といった購買寄りの質問を投げ、どの店名が出るかを定点観測するところから始めるとよい。Shopifyで運営しているなら、同種のアプリや分析ツールを組み合わせる方法が考えられるし、自前で進めるならスプレッドシートや一般的なBIツールで回答記録を残すやり方もある。
国内向けに展開する場合は、日本語の表記ゆれ、ブランド名の略称、レビューサイトや比較記事への依存が結果に強く影響しうる点に注意したい。海外向けと違って、日本ではモール出店ページや口コミ媒体が先に参照される場面もあり得る。また、Murphy本人がやっているように、直せる範囲と直せない範囲を最初から分けて伝えないと、従来型SEOの延長として誤解されやすいだろう。
事業の数字と経緯
Indie Hackersの2026年9月5日の投稿で、Murphyは自分を「solo founder」と表現し、正社員の営業組織を持たず、アプリが掲載ページから自走で売れる前提で価格設計していると説明している。PositionBirdは、その前に作ったStatusBirdに続く2本目のShopifyアプリとして、2026年8月ごろに立ち上げたと本人が書いている。
料金については、Indie Hackersで無料・19ドル・49ドル・79ドルの価格帯を示しており、Shopify App Storeでも月額19ドルから79ドルまでの有料プランと無料トライアルが確認できる。公式サイトでは無料プランの案内も出ている。一方で、売上高や有料顧客数は今回確認できた範囲では示されていない。ただし、Shopify App Storeには2026年9月3日公開のアプリとして掲載されており、少なくとも稼働中のサービスであることは追えた。
また、本人はIndie Hackersで、5つのAIエンジンに対してウェブ検索付きで問い合わせるためAPIコストは安くない、と補足している。AIを中核にしたプロダクトでありつつ、実際の運営では「無料スキャン」「低価格」「方法論の開示」を組み合わせて自己完結型の販売導線を作ろうとしている段階だと読める。
出典
- https://www.indiehackers.com/post/solo-founder-second-shopify-app-here-is-the-bet-T6Yt2oIPF01LxkTJ82ZA
- https://apps.shopify.com/positionbird?surface_detail=store-design-site-optimization-seo&surface_inter_position=1&surface_intra_position=15&surface_type=category&surface_version=redesign
- https://positionbird.io/how-it-works
- https://positionbird.io/
- https://positionbird.io/pricing
コメント
Sydney Murphyの面白さは、AIに何かを直させることより、AIが自社をどう答えているかを測り、記録して見せることに価値を置いている点だ。直せない部分まで正直に書く姿勢は、AI検索対策をうたうサービスが増えるなかで差別化になりうる。売上は公開されておらず、無料スキャンからの有料化がどこまで進むかはこれから見ていきたい。
海外のソロプレナーたちの工夫を、日本で実践するとしたら? ソロプレナーの道具箱はこちら →
関連記事
Victorが開発するPresenc AI|ChatGPTで自社が推薦されるかを追跡する新サービス
Victorは、AIの回答文に自社サービスが出てくるかを検知する機能を軸に、単発の大きなローンチに頼らず利用者を積み上げている。Indie Hackers では、開始から約2カ月で572ドルのMRRに達した一方、継続率や集客経路の見極めを次の課題として挙げていた。
社員約60人の会社を手放したSteven Gohは、なぜ次の事業を1人で回せるのか
LinkedInデータAPI「Proxycurl」を売却したSteven Gohは、B2Bデータの新事業NinjaPearを人を雇わずに運営している。経理を自動化し、顧客サポートと顧客フォローをAIに任せる一方、商品の方向性や売り方の判断は自分に残している。
ゼロ売上で始まったPromvia、Anil SayarはAI回答でブランドが挙がる仕組みをどう測ろうとしているのか
Anil Sayarが立ち上げたPromviaは、ChatGPTやPerplexity、Gemini、GoogleのAI回答で自社や競合がどう扱われるかを継続観測するプロダクトだ。本人のIndie Hackers投稿では、2026年8月ローンチ時点で一人運営・自己資金・売上ゼロという初期段階を率直に開示している。派手な成長数字ではなく、AI時代の指名獲得をどう可視化するかという新しい計測テーマに踏み込んでいる点が特徴だ。
Jijo JohnのSocialSignal AI|SNSでの集客ノウハウをAIプロダクトに変えた方法
Jijo Johnは、Product Huntで自らをソロファウンダー兼シニアエンジニア、さらにパイロットでもあると明かしている人物だ。SocialSignal AIでは、SNS上の会話検知やAIによる返信案作成、感情分析を軸にした成長支援を打ち出し、その後の公式サイトでは訪問者識別や行動データ活用へとプロダクトの射程を広げている。収益の詳細は見えない一方で、料金ページとプロダクト提供内容が確認できるため、稼働中サービスとして追う価値がある。