Claude Code 活用事例集|一人で開発・運営する世界のAIソロプレナーの使い方
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AnthropicのコーディングエージェントClaude Codeを、一人で事業を運営する世界のソロプレナーがどう使っているかを、出典で確かめた事例から整理した事例集。コードを書けない創業者のSaaS開発、開発者の高速化、開発以外の自動化と周辺ツールづくりの3つに分けて紹介する。
「Claude Code 活用事例」で調べると、機能の紹介や使い方の解説は多く見つかります。ですが、一人で事業を運営している人が、実際にどの作業をClaude Codeに任せ、どこを自分で判断しているのかは見えにくいものです。このページでは、本人のブログやインタビューなどの出典で、Claude Codeを使っていると確かめられた世界のAIソロプレナーの事例を集めました。
なお、AIソロプレナーとは、AIを活用しながら、一人で事業を運営している、または運営していた起業家のことです。定義や全体像は「AIソロプレナーとは」で解説しています。
ClaudeとClaude Codeの違い
Claudeは、Anthropicが提供するAIで、ブラウザやアプリで対話しながら文章を書いたり、考えを整理したりするのに使われます。Claude Codeは、そのClaudeを開発の作業に使うためのコーディングエージェントです。
このページの創業者たちの説明を借りると、Claude Codeはターミナルで動き、手元のコードを読み、頼んだ内容に沿ってコードを直接書き換えます。不動産会社などを経営するFillip Kosorukovは、Claude Codeを「ターミナルからClaudeに開発の作業を任せられるコマンドラインのツール」と説明し、設計の相談はClaude(claude.ai)、実際にコードを書いてテストし公開するのはClaude Code、と役割を分けています。
この記事で分かること
- 一人で事業を運営する創業者が、Claude Codeを何に使っているか
- コードを書けない人・開発者・開発以外の仕事の人で、使い方がどう違うか
- 日本で一人で事業を運営する人が、どこから取り入れるとよいか
Claude Codeの使い方は3つに分かれる
1. コードを書けない創業者が、SaaSを出す
いちばん目立つのは、エンジニアではない創業者が、Claude Codeを開発の手段にして製品を出している例です。
Chad Newellは、25年にわたってマーケットプレイスの事業を手がけてきた非エンジニアの創業者です。本人のブログによると、AIで動くCRM「RadiusOS」を数週間で一人で作り、エンジニアのチームも共同創業者も外注もなく「自分とClaude Codeだけ」で公開しました。作り方は、機能を普通の言葉で説明し、Claude Codeに意見を聞き、ベストプラクティスに沿うよう頼んで実装させ、自分で動かして直す点を伝える、のくり返しです。何を作るかの判断は、25年の経験を持つ本人が担っています。
Fillip Kosorukovは、心理学の学位を持ち、不動産会社とトレーディングの会社を経営しています。DEVへの寄稿では、Claude Codeを主な開発の手段にしてSaaSを作り、サーバーの設定、デバッグ、デプロイ、セキュリティの修正まで進めたと書いています。一方で、Claude Codeは確かめないまま「完了した」と報告することがあるので、出力は必ず自分で動かして確かめるとも書いています。
Mihai Mateiは、画面の内容を読み取って手伝うデスクトップAI「Jarvis」を開発しています。インタビューでは、JarvisをClaude Code、Codex、GPTで作り、今の形が固まってから約3か月かかったと答えています。共同創業者も社員もおらず、自分と多くのAIエージェントだけだといいます。
該当例:Chad Newell、Fillip Kosorukov、Mihai Matei
2. 開発者が、開発を速くする
もともとコードを書ける創業者は、Claude Codeを使って、一人では手が回らない量の開発をこなしています。
Steven Gohは、社員約60人の会社を売却したあと、人を雇わない前提で新しい事業を始めました。本人のブログによると、2026年1月に足を骨折して机から離れられなかった時期にClaude Codeを試し、そのまま2週間で試作品を作って公開しました。Claude CodeとCodexがあれば、自宅のサーバーの環境を組むのも難しくなかったと書いています。
Hwee-Boon Yarは、プログラミング歴30年のインディー開発者です。Claude Codeを1日中ターミナルで動かし、プロジェクトごとの決まりを書いたAGENTS.mdを起動のたびに読ませています。Claude Codeが書いたコードは、別のAIのCodexにレビューさせています。
Jacky Liangは、小さな会社向けのAIサポート「Answer HQ」を運営しています。本人のLinkedInの投稿では、Claude Codeでチャットと検索(RAG)の仕組みを丸ごと書き直したと書いています。
Rodrigo Santosは、ブラジルでLinkedIn営業のSaaS「Vencefy」を一人で運営しています。インタビュー記事によると、89個のデータベースの表と複数のサービスを一人で管理しており、その支えになっているのがVS Code上のClaude Codeです。大きな作業では、本来必要な人数のおよそ10倍の働きをしている感覚だと話しています。
該当例:Steven Goh、Hwee-Boon Yar、Jacky Liang、Rodrigo Santos
3. 開発以外に使う・Claude Codeまわりの道具を作る
Claude Codeは、製品の開発以外にも使われています。また、Claude Codeを毎日使う中で出てきた不便を、そのまま製品にした人もいます。
Lionel Fenestrazは、スペインで一人で広告運用のコンサルタントをしています。顧客ごとの資料はClaudeのProjectに入れ、繰り返しの作業の自動化にはClaude Codeを使う、という組み合わせがいちばんうまくいくと本人のガイドに書いています。正確な計算は、チャットではなくClaude Codeを通したPythonで行っています。
Frederic Lumiereは、ターミナル版のClaude Codeで製品を作る中で、画面の修正をAIに伝える手間を減らすChrome拡張「ClickSay」を作りました。画面の要素をクリックして声で直したい点を伝えると、その要素の情報と一緒に指示がまとまり、Claude Codeのセッションへ直接送ることもできます。
Alimkhan Yergebayevは、AIツールの間でプロジェクトの文脈を受け渡す「Relay」を、Claude Codeで開発しています。Relayのブログでは、セッションの始めに前回までの決定事項を読み込ませ、Claude Codeが会話を要約する前に文脈を保存して、次のセッションに引き継ぐ使い方を紹介しています。
事例一覧
- 月商を公開している3件のうち、3件が月商100万円以上です。
- 事業種別は、掲載10件中9件がSaaSです。
- 集客チャネルが判明している7件では、SNS(2件)、その他(2件)、Product Hunt(2件)が上位です。
| 創業者 | 記事 | 何に使っているか | 月商 | 事業種別 | 集客チャネル |
|---|---|---|---|---|---|
| Chad Newell | Chad Newellが実践した、AIネイティブCRMで顧客を掴む方法 | 非テクニカルな創業者として、Claude Code で本番環境の SaaS を1人で作って出荷した。 | 非公開 | SaaS | SNS |
| Fillip Kosorukov | 複数AIを束ねてSaaSを前に進めたFillip Kosorukov | 主な開発手段として使い、VPS の構成、デバッグ、デプロイ、セキュリティ修正まで進めた。 | 非公開 | SaaS | その他 |
| Mihai Matei | Mihai Mateiとは?16歳でAIアシスタント「Jarvis」を開発、3週間でMRR1万ドルを達成 | コードをまったく書けない本人に代わって、Codex と一緒に Jarvis のコードを書かせている。 | 100〜500万円 | SaaS | コミュニティ |
| Steven Goh | 社員約60人の会社を手放したSteven Gohは、なぜ次の事業を1人で回せるのか | NinjaPearの試作品を2週間で作り、自宅のKubernetesのクラスターの構築にも使った | 非公開 | SaaS | 不明 |
| Hwee-Boon Yar | Hwee-Boon Yarが実践した、Claude Codeに開発を任せるためにAGENTS.mdを育てる方法 | 1日中tmuxの中で動かし、AGENTS.mdとスキルを読ませて実装・コミット・デプロイまで任せている | 非公開 | SaaS | 不明 |
| Jacky Liang | Jacky Liangが実践。AIサポートSaaSで小規模企業を獲得する | Answer HQ のチャットと RAG の基盤を書き直すのに使った。 | 100〜500万円 | SaaS | その他 |
| Rodrigo Santos | Rodrigo Santos|LinkedIn営業SaaS「Vencefy」を生んだソロ起業家 | VS Code の上で使い、大きくなったプロダクトの実装と改善を1人で回していた。 | 100〜500万円 | SaaS | SNS |
| Lionel Fenestraz | Claudeで週14時間の運用作業を減らした広告コンサルタントLionel Fenestrazの仕事の分け方 | 繰り返しの作業の自動化と、正確な計算をPythonで行うのに使う。手順はGitHubのリポジトリにまとめている | 非公開 | 受託/サービス | 不明 |
| Frederic Lumiere | 映画制作者のFrederic Lumiereが、Claude Codeでの開発のためにChrome拡張ClickSayを1人で作った理由 | ターミナル版をいちばん使い、製品をClaude Codeで作っている。Claude Codeの中に33個のエージェントを持つ | 非公開 | SaaS | Product Hunt |
| Alimkhan Yergebayev | AlimkhanのAIコンテキスト共有モデルは日本で再現できるか「AIに同じ説明を繰り返さない」──Alimkhan Yergebayevが作るRelayのコンテキスト管理SaaS | Relay の開発に使い、その作業の記憶を Relay で管理している。 | 非公開 | SaaS | Product Hunt |
日本で実践するときのポイント
紹介した使い方は、海外のSaaSに限った話ではありません。日本で一人で事業を運営している人や、社内で一人で開発や運用を担当している人にも取り入れやすいものです。
まず、コードを書けない人がClaude Codeで製品を作る場合は、何を作るかを自分で決められることが前提になります。Chad Newellのように、機能を普通の言葉で説明し、動かして直す点を伝えるくり返しなら、エンジニアでなくても進められます。その代わり、Fillip Kosorukovが書いているとおり、完了の報告をうのみにせず、自分で動かして確かめる手順を必ず残したいところです。
次に、すでに開発をしている人は、プロジェクトの決まりをファイルにまとめてClaude Codeに読ませるところから始められます。Hwee-Boon YarのAGENTS.mdや、Fillip KosorukovのMEMORY.mdのように、構成や決めたことを書いたファイルが1枚あるだけで、毎回同じ説明をする手間が減ります。別のAIにレビューさせる、作業ごとにセッションを分ける、といった工夫も一人で取り入れやすい方法です。
最後に、開発をしない仕事でも使い道があります。Lionel Fenestrazのように、毎月くり返すレポートやデータの加工をClaude Codeで自動化し、顧客とのやり取りや判断は自分で行う、という分け方なら、コンサルタントや士業、制作の仕事でも試せます。顧客のデータを扱うときは、個人情報を消してから渡すなど、扱い方を先に決めておくと安心です。
よくある質問
コードを書けなくてもClaude Codeで製品は作れるか
作っている例はあります。Chad Newell、Fillip Kosorukov、Mihai Mateiは、いずれもコードを書かずにClaude Codeで製品を公開しています。ただし、何を作るかの判断と、出来上がったものを自分で動かして確かめる作業は、本人が担っています。
ClaudeとClaude Codeはどう使い分けるか
Fillip Kosorukovは、設計の相談や計画はClaude、コードを書いてテストし公開するのはClaude Code、と分けています。Lionel Fenestrazは、顧客ごとの相談や下書きはClaudeのProject、繰り返しの作業の自動化はClaude Code、と分けています。
長い作業で、決めたことをAIが忘れないようにするには
Hwee-Boon YarはAGENTS.md、Fillip KosorukovはMEMORY.mdというファイルに決めたことを書き、Claude Codeに読ませています。Alimkhan Yergebayevは、文脈を保存して次のセッションに引き継ぐ道具そのものを作っています。
まとめ
一人で事業を運営する世界のソロプレナーのClaude Codeの使い方は、コードを書けない創業者がSaaSを出す、開発者が一人で開発の量をこなす、開発以外の自動化やClaude Codeまわりの道具づくりに使う、の3つに分けられます。どの例でも、何を作るか・何を確かめるかの判断は本人が持ち、書く作業や繰り返しの作業をClaude Codeに任せています。
AIソロプレナーという働き方や事業の作り方をもう少し俯瞰して理解したい方は、「AIソロプレナーとは」もあわせてご覧ください。
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